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2022.10.10
寮での大切な行事(フェイスブックの過去の日記から)
「 寮の始業式と修了式の思い出」
グラナダ大学付属の外国人コースで勉強している時に住んでいた女子寮の100人の寮生は、皆グラナダ大学の大学生でした。スペインのいろいろな地域から集まっていましたが、アンダルシア出身者が7割くらいだったと思います。
寮では10月に始業式、5月に終了式がありました。
寮生活が始まってからまだ日が浅い頃、「始業式ではおしゃれするんだよー」と寮の子たちから言われ、とりあえずエル・コルテ・イングレス(スペイン各地にあるデパート)まで服を買いに行きました。
始業式が始まるのは夕方からだったのですが、その日は昼食が終わるとみんな自分の部屋に引っ込んで支度をしました。寮の廊下は信じられないほど静まり返っていました。
そして始業式が始まる時間、食堂に集まったみんなを見てあっと息をのみました。
普段と全く雰囲気が違っていて、1年生たちも自分をめいっぱい大人っぽくゴージャスに見せようとしていてとても綺麗でした。
上級生達はもういっぱしのマダムで迫力の美しさでした。
黒いロングドレスの子が多くて圧倒されました。褐色の肌にとてもよく似合っていました。
茶色いワンピースの自分がずいぶん幼く思えました。
スペイン人の女子大生のいつもの通学の服装は、質素で真面目でした。
彼女たちの普段の恰好で印象的だったことは、一粒の真珠のピアスと、十字架のネックレスやイエス様やマリア様が彫られているネックレスをいつも身に着けていたことです。
ミサと式の後は食堂で立食パーティーでした。その日は、家族以外の男子も許可をもらっていれば寮に入ることが出来ました。
5月の修了式に向けては、寮の子たちはテラスで日焼けに励んでいました。
なぜ日焼けするの?と聞いたら「日焼けした方が美人に見えるから。当然でしょ」と言っていました。
シミは心配でないのかと聞いたら、そうなったらその時に考えると言っていました。
(今ではスペインでも日焼けに対する考え方が変わっているかもしれませんね。)
フラメンコの歌詞でも「モレーナ(浅黒い肌の、日焼けした)」は頻出単語ですね。
好きな女性をモレーナと呼び掛けたり、浅黒いユリよ・・と言ったり。
ちなみに「アンダルシアで一番美人が多い土地はコルドバ、そして、一番かっこいい人が多い土地はグラナダ」と寮生たちが言っていました。
秋の始業式ではシックな黒いロングドレスが多かったけれど、ほとんど夏の気候の修了式の時にはみんな色とりどりのドレスやスーツを着ていました。
修了式の食事会は中庭で行われました。
中庭の中央にはマリア様の像があり、オレンジの木には白い花が咲いていました。
オレンジの花はマリア様の象徴なのだそうです。
修了式のあった5月はかなり遅い時間まで空が明るかった記憶があります。
始業式の時も修了式の時も、その後はディスコを貸し切ったパーティー。
ここからが本番らしく、これがまた凄いのなんのって。
わりとおとなしく地味めなタイプの子たちでも週末の夜には普通に踊りに行くので、そういうナイトライフとは無縁の私には衝撃的でした。
私にとっていちばん苦手なことは、はしゃぐことと踊ること。
この先、もう決して経験しないだろう貴重な経験をしました。