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2022.10.12
寮生活が始まって間もない頃の失敗(フラメンコブログ フラメンコ教室エルソル)
「寮生活始まって間もない頃の失敗」(フェイスブックの過去の日記より)
住んでいた女子寮では、私は100人のスペイン人女子大生の中で唯一の外国人でした。
安全面もとてもしっかりした寮で、授業などから帰った時にガラスがはめ込まれた鉄格子の扉の前に立つと、門番の人が顔を確認してから扉を開けてくれました。
夜中は更に、鉄板が張られた重厚な扉がいちばん外側に閉められ、二重の扉で守られました。
その寮に入れば両親も安心すると思って、私は高校生の時からそこに入ることを目指していました。
寮生活が始まりまだ間もない日曜日に、早朝のバスに乗ってセビージャまで日帰り旅行をしようと考えました。
早起きして、みんなが寝静まっている寮の廊下を通りホールまで来て、鉄格子を開けて鉄板の扉を自分で開けようとしました。
いちばん外側の鉄の扉が開きません。
「ああそうか、寮には朝も門限があるんだ」とやっとその時気付きました。
うっかりしてたなーと思い部屋に戻ろうとしたら、背後でガチャンという音が・・・。
鉄格子の扉が自然に閉まってしまい、私は2枚の扉の間に取り残されてしまいました。
オイガ~(聞いて~、すみませんが~)と大きな声を出しても、部屋は上の階なので誰も起きてくる気配がありません。
こんなところを誰かに見られたら物笑いの種だと思って1時間近くへたり込んでいたら、いちばん早く起きてきたお年寄りのシスターが驚いて鉄格子を開けてくれました。
ああ、最初に起きてきたのがシスターで良かった、とその時思いました。
計画していたセビージャ行きのバスにも乗れなかったしもう出掛けるのはやめようと思いましたが、シスターが鉄の扉を大きく開けて「ブエン·ビアヘ!(良い旅を!)」と元気に言いました。
部屋に戻って寝るとは言い出せなくなってしまい、シスターに見送られながら、行くあてもなく、とりあえず外に出たのでした。
その時はもう遠出をする気分ではなかったので、近くの町のグアディクスにバスで行ってみました。
グアディクス、グアダラハラ、グアダルキビル等々、このような地名や川の名前はアラビア語の「川」に由来しているそうです。
グアディクスでは大聖堂前の広場の蚤の市を見て、ガイドブックでも有名な洞穴住居を外から見て回りました。
1時間位歩いたら、もう飽きてしまうようなところでした。
刺激満載なだけではなく、うら寂しいこんな風情もアンダルシアなんだなと思いました。
寮に戻ると、早朝の出来事が寮全体に知られていて(あのシスターかっ!)、更には、私がグアディクスをぶらぶら歩いていたという目撃情報も既に寮に届いていたことには辟易しました。
寮では良くも悪くも目立つのは当然で一挙一動に注目されてしまい、知られたくないちょっとしたヘマもすぐ知れ渡り、一時は帰宅恐怖症にもなり、大変なこともかなり多かったです。