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2022.10.19
平岩弓枝さんの「女たちの海峡」(フラメンコブログ フラメンコ教室エルソル)
「フラメンコダンサーが出てくる小説」(フェイスブックの過去の日記より)
平岩弓枝さんの「女たちの海峡」は、情熱的な日本人のフラメンコ舞踊家の話です。
数十年前にはドラマ化されて、乙羽信子さんという宝塚出身の女優がそのフラメンコダンサー役を演じたそうです。
私がフラメンコを始めたばかりの頃、たまたま乙羽信子さんのこのドラマについてのインタビュー記事を読みました。
道ばたでフラメンコを踊るシーンをアンダルシアのどこかの町で撮影した時に、通りすがりのスペイン人たちが集まってきて掛け声と手拍子をしてくれたのでエキストラの人達の仕事がなくなってしまったそうです。
アンダルシアらしいエピソードですよね。
私が初めてこの本を読んだのは、子供達が2才と5才で、3人目の子を妊娠している時でした。友達が本を貸してくれて面白くて夢中になって1日で読み終えました。
もう一回読みたいとずっと思っていて、末っ子が小学生になって自由な時間が増えた時に読み直しました。
育児真っ只中でこの本を読んだ時はこの日本人ダンサーの生き方が情熱的でとてもまぶしく感じたのですが、再読した時にはずいぶん私の感じ方が変わっていました。
自分の幼い娘を手放してある男と出奔してそのまま消息不明。いろいろあって失意の中スペインに流れ着き、日本舞踊が好きで上手だったのでその土地の踊りのフラメンコに心の拠り所を求め、踊りの才能があったため現地で人気フラメンコダンサーになった、というこの女性。
踊りの才能は素晴らしかったようですが、生き方が踊りに表れると思うので、この人の踊りを見ても、私にとって憧れのダンサーにはきっとならないだろうなと思いました。
いつ読んでも感動する本もありますが、その時の心境によって感想が大きく変わる本もあるんだなと思いました。